ケース4−4´(ダッシュ) 駿壱の場合


 ぺたんと華菜の体がベッドにしずむ。いつでも蹴りが繰り出せそうなくらい力の入っていた足も、空気が抜けるみたいにずり落ちかける。
「華菜?」
「ひっきょーぅ……なんでこんなことしながらそんなこと言うのー?」
 ぐずぐずと泣きながら、小さな声の抗議。
 うーん。こんなに効くとは思わなかったな。もう警戒度マイナスって状態。触りたい放題。柔らかくて滑らかな太腿の感触堪能。すべすべしてて、無駄な筋肉がないってのはこんなに気持ちいいもんなんだろうか。
「今言いたかったから。もっと言ってほしい?」
 ああもう本気で顔の筋肉制御不能。カッコ悪く笑ってる。口の端が上がったまま。今は鏡見たくないな。
 目じりから伝う涙をすくう。また閉じられたまぶたから、目に付くところ片っ端からキスして回ってもこの気持ちを伝えきれるとは思えない。
「好きじゃなかったらこんなことしないよ」
 唇にキス。何度も軽く繰り返して、腿をなでるのも再開。しっとりと吸いつくような感触。
「やッ…」
 撫で回される感触に、華菜が声をあげて足を動かそうとする。
「やめっ!! 足っ……降ろして離してっ!!」
 離せと言われて離せるものじゃないって。
「だめ」
 さて、どうしよう。
 このまま最後の一枚も脱がす? でもそれはこの嫌がりようを見てると、速攻で本泣きされそうだ。なりふり構わず起きあがろうとしてくる。そうくるなら……
「きゃっ!! ぷ」
 腰を足で抱えるようにさせて、あぐらかいた上に座らせる。うわーやっぱいろいろダイレクトに来るなー。でも腕が邪魔。
 きょとんとした顔で何が起こったか良く分かってなさそうな華菜の手首をつかんで首にかける。
 この体勢が一番楽なんだよな。いろいろするのに。
「寒くない?」
 剥き出しの肩が少し冷たい。
「ん……そんなには……駿兄?」
 腕を全部使って、がっちり抱きしめる。
「ナニ?」
「な……にって、手……」
 んー
 逃げを打って少し腰を浮かせたのを見逃すわけにはいかないでしょう。
 まださすがに肉付きの薄いおしりから、一気にゆびを進めると、ちゃんと、しっかり、濡れているのが分かる。下着が非常に色気のない、文字通り「パンツ」と言うべき白い厚手のコットン地。それを見る限りそこまで濡れてるとは思わなかったけど、べったりと指が沈む。
「いやッ だっ……やめ……あぅッ つ……」
 首にしがみついて、耳元で甘い声が響く。
 動かした指に全神経が直結してる。華菜の声のほかに、劣情を誘う粘膜の鳴る音が時折聞こえる。
 柔らかくて暖かくて、どうしようもないくらい気持ちいい。
 ふんふんと鼻から空気を漏らすようにしている華菜。
 そろそろよろしいですかね。
 右手の人差し指を、ゆっくりと目的の場所へ埋めて行く。
 狭っ……第一間接やっと入る。
「いった!!! 痛いっ!! やめてっ!!」
 悲鳴。引き剥がされる体。細いひざが腿に食い込む。
 こっちもかなり痛い。どうなっているのか見るために下を向くと、華菜の涙が幾つも零れ落ちるのが見えた。うわ。泣かした。
「ごめん、華菜、大丈夫?」
「だめ。まだ痛い。死んじゃう」
 大丈夫だ。首を振ってよわよわしくしてるけど人間「死ぬ」と言ってるうちは平気な証拠だと俺は思ってる。勝手にだけど。
「いや、俺もかなり痛いんだけど。死んじゃう前に頼むから足の位置変えて」
 小さな声でごめんなさいと言ってから、俺から離れてシーツの上にぺッたりと座り込む。もしや逃げられたか? 俯いて三秒後に顔を上げて、いつものようににこーっと華菜が微笑む。やっぱり逃げようと思ってるなコイツ。
 負けずに笑って返してやると、そのまま固まってる。
 たっぷり十秒ほど引きつり気味の笑顔で耐える。にらめっこの逆バージョンがこんなにつらいとは思わなかった。


ケース4−5 駿壱の場合
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ケース4−4 華菜の場合
------------上と同じ時間経過なので飛ばしても
         ストーリは続きます

ケース4−4 華菜の場合



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