好きスキ大好き愛してるっ  5


「ぱぁーぱぁーん」
 お風呂に入って、晩ご飯を一緒に食べて。お洗濯もお茶碗の後片付けも乾燥まで機械がしてくれて。だから私は、洗いたての洗濯物を落として洗い直しにしちゃったり、手が滑ってお茶碗割ったり、なんてことはココ最近、全然なくなったからうれしい。苦手な家事をする時間が短くなった分、パパとくっついていられるのも、すごくうれしい。
「もう飽きたの?」
 パパは片腕私の腰に回して、ちょっと不自然な体勢で、まだ読めていなかった今日の新聞を、私はそのパパの腕の上に由奈ちゃんが置いていったファッション誌を広げて読んでたんだけど。
 そのままのけぞるような格好で、パパの膝の中に倒れこむと、パパが笑って新聞をとじる。
「だってー由奈ちゃんの似合う服と私の、全然違うんだもん」
 由奈ちゃんが見るのは、たいていきれいなお姉さん系のファッション誌。背が低くてどうがんばっても幼児体型のままな私が見てても、自分自身コレは着れるかなーって服もなくてつまんなくなってきちゃった。
「由奈は美奈と、ほんっとに似てないからなー」
 そうよー 由奈ちゃんはパパ似。顔つきも性格もその身長も、私とちっとも似てないの。小学五年生くらいのころには、もう私の身長追い越しちゃってたんだもん。今じゃ一緒に歩いてても、みんな私が由奈ちゃんの妹だと思ってるのよぅ。
「でも、由奈が美奈に似てなくてよかったよ」
「なあに? それって由奈ちゃんが私に似てたら、パパは由奈ちゃんのことも私みたいに好きになってたかもしれないってこと?」
「違う違う。美奈みたいなのが二人も居たら俺の身がもたない……って怒るなよ」
 ぶふー。どういう意味よぅ。
 パパが、膨らませた私のほっぺたを長い指でつついて笑う。笑っちゃダメよ。怒ってるんだから。
「美奈ちゃーん? ごめん、謝るから機嫌直して?」
 そう言って、パパが背中を丸めて顔を近づける。触れるだけのキスをして、パパがまた笑った。
「ね? 世界で一番美奈がかわいいんだから、そんな顔してないで。世界中探したって、俺より美奈のこと愛してる男なんかいないよ?」
「ほんと?」
「ホントホント」
「じゃあ……」
 もう一回キスして。
 そう言う前に、すぐそこにあったパパの顔がまた降りてくる。触れるだけのキスなんかいやよって、ちょっと口を開いて、パパの舌を誘うように。
 むさぼるようなキス……って言うんだろうか。ギリギリ、何か、限界をすこし超えるくらいのキス。深くて、甘くて、果てしなくて。
「は……ん」
 キスをしながら、パパの手がパジャマ代わりのTシャツのすそをたくし上げて、ハーフパンツの上から、そこを撫でる。
「ん……また、するの?」
「だって昨日、離れてたからできなかったでしょ?」
 そう。昨日パパは居なかった。
 パパのお仕事は建築デザイナー。請け負っていたビルの設計と施工が違ってるってオーナーさんから電話がかかってきて、現場視察に行っちゃったの。
 行ってみたら、基礎のときは図面どおりだったものが、形になったらイロイロ違ってて図面どおりのビルにしたいオーナーさんと、図面どおりだとすごく面倒だから手を抜きたい施工業者との間ですったもんだの末、一日でまとまらなかったんだって。
「急な出張じゃなかったら、美奈も連れて行けたんだけどなぁ 今度行くときは連れてってあげるよ。今度の現場、すぐ近くにいい温泉があるってオーナーさんが言ってたから、そこに泊まろうか?」
「温泉っ」
「そう。おふとんでエッチするの。ホントに俺、どうして自分家に和室作らなかったんだろう。大後悔」
「しかたないよぅ土地せまいんだもんっ……ん」
 話している間中、パパの手は止まることなく私のそこを往復したり、押したりしていた。厚めの地布を通しても、私のそこが濡れてきてるのがばれちゃいそう。
「ふ……ん……ああ」
 気がついたら、私は軽く膝を曲げて、パパがいじりやすいような格好になるように、すこし足を開いている。
「あん……ッ……ふぃっ……そんな、見ないでぇ」
 布越しのかすかな、けれど確かなパパの指の動きに酔いながら目を閉じていたんだけど、ふと、視線に気づいてめを開けたら、パパが私を見つめてた。
「隠さないで。美奈が感じてる顔、見せて」
 慌てて両手で顔を隠したら、パパが簡単に空いたほうの片手で私の両手首を掴んで引っ張る。
「やぁん」
「ほら、すごくかわいいのに。隠したらダメだよ」
「んっ……ああ……やだ」
 電気もつきっぱなし。こんな明るいところで、えっちな顔してるの、見られるのはやっぱり、はずかしい。
 恥ずかしいけど。
 気持ちよくて。
 いじっているパパの手はすごく優しいタッチで、ハーフパンツ越しだとものすごくもどかしい。けれど無視できるようなものじゃなくて、もう、これ以上じらされたら、おかしくなっちゃうのに、パパは全然、気にしないで私の顔を見ながら指を動かす。
「ねぇ……パパぁ」
 自分でも分かる。今ものすごく、えっちな顔してるって。
「お願……もう…………触って?」
「触ってるよ?」
「こんなんじゃ、なくて………」
 もう、知ってて、言ってるくせにぃ。
「こんなんじゃなくて?」
「………っ!! あんっ」
 布の上で動く指に、ほんの少し力が入る。一番敏感なところが、生地と擦れて指とは違うざらりとした感触に腰が跳ねた。
「………直に、触って」
「じゃあ、邪魔なもの脱がなきゃね」
「んっきゃ……」
 パパが、私の両手を押さえていたほうの手をぐいっと引く。同時に膝を上げて、私を起き上がらせる。
 下半身に言いようのない感覚。じわじわと消えることのないパパの指の感触。
 パパが、のしかかるように後から私を抱きしめて。
「脱いで。見せてよ。美奈のそこがどうなってるか」

                                        2002.8.15=up.





好きスキ大好き愛してるっ4 ←  もくじ  → 好きスキ大好き愛してるっ6


Copyright © 2002 AUG Sachi-Kamuro All rights reserved.
このページに含まれる文章および画像の無断転載・無断使用を固く禁じます
画面の幅600以上推奨